大会長からのご挨拶
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日本ゲノム編集学会第10回大会
大会長 刑部祐里子
(東京科学大学生命理工学院)
このたび、2025年の第10回年大会長を務めさせていただきます、東京科学大の刑部祐里子です。本大会は6月16日(月)から18日(水)のまでの3日間、東京科学大の大岡山キャンパスで開催されます。2025年大会は、日本ゲノム編集学会発足より10周年を迎え、節目となる記念すべき大会となります。
ゲノム編集は、ZFNやTALENを用いた遺伝子改変技術の開発を皮切りにその時代が幕開け、Charpentier博士とDoudna博士によるCRISPR-Cas9はさらなる技術革新となり、医薬、食品、環境、ものづくり産業などさまざまな分野において大きく発展しました。また、ゲノム編集は科学界だけでなく社会全体にも大きな影響を与え、倫理的・法的な課題や、安全性に関する議論も活発化しています。この10年は、ゲノム編集技術による生命科学の変革の時代であり、その分野の一員として、また、日本ゲノム編集学会会員として本分野で研究を進められたことを大変嬉しく感じております。
近代の生命科学においてDNA・RNAの機能解明を行う遺伝子工学はその根幹を担っておりますが、その中でも、ゲノム編集技術は基本技術として中心的な役割をもち、各種応用技術のさらなる開発が進められています。ゲノム編集研究分野の発展により、国内外ともに、多くの若手研究者や新たな分野融合の成長と拡大がなされてきました。本第10回大会にでは「ゲノム編集技術の成熟がもたらす新たな未来」*をテーマに掲げ、国内外の第一線で活躍される研究者の皆様の日頃の取り組みと最新の成果について報告いただくとともに、次なる時代を紡ぎ出すあらたな可能性について広く議論できれば幸いです。また、産業界、政府・公共団体、研究機関、さまざまな学術分野や関連学会、若手からシニアにいたるまで、新たなコラボレーションや交流により、ゲノム編集分野のさらなる発展につながることを心から期待します。皆様の積極的なご参加を心よりお願い申し上げます。
*本大会テーマ;京都大学農学研究科 佐久間哲史先生より