第11回大会は2026年6月15日~17日の3日間、京都大学百周年時計台記念館において開催することとなりました。2025年に記念すべき第10回大会を成功裏に終え、2026年は日本ゲノム編集学会設立10周年という大きな節目を超え、次なる発展への一歩を踏み出す大会となります。
ゲノム編集技術はZFNやTALENによる遺伝子改変技術の開発に始まり、2012年のCRISPR-Cas9の登場によって爆発的な技術革新を遂げました。2011年より活動を始めたゲノム編集コンソーシアム研究会は、この技術革新の急拡大の波の中で2016年に日本ゲノム編集学会を設立し活動の幅を広げました。その後も技術の進化は多方面に及び、Cas12やCas3といった多様なCRISPRシステムの発見に加え、塩基単位での正確な改変を可能にするBase EditingやPrime Editingなどの革新的な応用技術が誕生し、社会実装が次々に図られています。新たな核酸編集酵素は今なお発見が続いており、ゲノム編集の可能性をさらに拡大する新規ツールの開発が行われています。また、AIが実用レベルに進化したことで、研究のフロンティアはさらに拡大し続けています。学会設立以降の10年間は、まさに、技術の多様化とスケールの拡大が一気に進み、ゲノム編集が医薬、食品、環境、ものづくり産業など、さまざまな分野で応用され、生命科学全体を根底から変革してきた期間となりました。
今やゲノム編集は、DNA・RNAの機能解明を行う近代生命科学における基本技術として中心的な役割を担い、各種応用技術のさらなる開発の核となっています。本学会は「研究に関する情報交換、基盤技術の研究・開発、社会還元、そして人材養成」を目的として、この分野の成長と拡大を一丸となって推進してまいりました。毎年開催される大会は、まさにこの重要な活動の中核を成す場です。本大会では国内外の第一線で活躍される皆様の日頃の取り組みと最新の成果について報告いただくとともに、多様な研究分野から集う研究者による新たなコラボレーションや交流により、ゲノム編集分野のさらなる発展につながることを心から期待します。
皆様の積極的なご参加により、本大会が実りある議論と活発な交流の機会となりますことを祈念し、大会長としての挨拶とさせていただきます。